自分が信じ込んでいたものが間違いだった時の衝撃は大きい。
だから人間は、忘れたり怒ったりする。
Hypercorrection effect
日本語訳が微妙にムズイこの単語。愚直に『過剰修正効果』とでも言おうか。
過剰修正効果とは、物事への確信の度合いが強ければ強いほど、物事が間違いだと指摘された時に正解を習得しやすくなる現象のこと*1だ。
なんだか直観に反している気がするねぇ。
物事への確信の度合いが強ければ強いほど「いや、お前が間違っている!」と保身のためにわめき散らかすと思うが、案外そうでもないらしい。
ちょっと例を引っ張り出してくるね。
このスレのスレ主はかなり昔から『2+2=4』だと確信していた。
だが名無しによりそれが嘘であり、真は『2+2=5』だったことが判明。
スレ主にとって『2+2=4』という事実が崩れるというのは、全くの予想外。
その予想外の事態に対し、スレ主は『義務教育から学びなおす』と『2+2=5』に注力を割くとスレに残した。
ホモガキは全く関係ない。
要は「確信が崩れたという想定外により、新しく届いた事実に焦点が向いた*2」ということ。焦点が向くということは、記憶力の向上にもつながる。
そういうわけで、ミスを修正したときのほうが定着しやすいと言われているわけである。
「ただこれ、『指摘された』ことに反応しているのよね」間違い云々より、指摘が期待に反しているかどうかに敏感になっているだけ*3、という知見もある。
脚注1の論文にも「一週間後には修正を忘れ、同じようなミスをした」とも。
過剰修正効果は短期的には効果が望めるが、長期的となるとわからない、らしい。追求の余地あり。
そしてこれは前提だが、「ミスを犯したら一巻の終わり」とする雰囲気や精神状態は、大体が悪い意味で異常だ。
休むか休むか、逃げることをお勧めする。